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新連載ようやう開始しました。題名は、イグニッションキー。自動車のエンジンの点火スイッチのキーのことです。トラウマ系男子×勝気な我儘お嬢様。ということでトラウマ系はトラウマ系でも無自覚トラウマ。家庭環境が悪かったことは自身でも認めているがそれにより自分がどれほど傷ついているかは理解していない。感情に蓋をしてブラックボックスにがちがち溶接しているタイプ。なるべく波風たてることなくひっそりと生きることを願っている。(感情的になることを極端に嫌っている)そんな彼のお相手は勝気な我儘お嬢様。こちらのお嬢様にもいろいろあるのですが…。このまま平穏に自分の心に蓋をして生きるのがいいのか感情を解放して生きるのがいいのか正直わかりません。感情を解放……といっても、解放の過程は苦しいものだし。それを味わった先にしかない幸せがあるのも確かだがそれだけが絶対的な幸せでもないと思うし…迷いもありますが、開始したので執筆頑張りますー!---------------------------------------------- 社長令嬢に一目惚れされ求婚された。  その話しを聞いたのは二十九歳の誕生日の翌日。月曜。朝一だった。 「見合いですか」  定例会議の後に社長に呼び出された。社長と言っても社員八名(うち二名がパート)の小さな設計会社で、上下関係は緩い。僕の場合は大学時代にバイトをしており、その縁で社員になったから、特にそう感じるのかもしれない。 「相手は本永建設の社長令嬢だ」 「それってうちの元請け会社じゃないですか」  本永建設。うちはそこ専門の下請け会社だ。鉄骨から木造。特殊な設計が多い。他の事務所に転職を考えるなら厳しい。逆に、生涯ここに腰を据えて働くなら本永建設が安泰な以上は食いっぱぐれることはない。「明日の午後、本永建設に出向いてくれ。社長がお前に会いたいそうだ」  それだけ告げると仕事に戻っていいと言われたので社長室を後にした。デスクに戻ると三歳年上の八雲聡介が声をかけてきた。年上だがここでのキャリアは僕の方が長い。だから互いに敬語は使わないでおこうと話しあってフランクな関係にある。職場では一番親しかった。 「ミスでもしたのか? 珍しいな」 「いや、違う」   たった今聞いたばかりの話しをすると 「逆玉じゃん。羨ましい。それも相手は六歳も年下で結構な美人なんだろう? いやぁやるねぇ」  と豪快に笑った。 「他人事だと思って楽しむのはやめてくれ」 「楽しんでないだろう? 祝福してやってんの」  どこが? と思ったが長い付き合いだ。突っかかってもひるむとは思えないのでそれ以上は何も言わずにおいた。  それにしても、また、厄介なことになったな。どうして僕の人生はこうも劇的なのだろう。小説や映画じゃないんだ。平凡がいい。普通が。だがちっともそうなってはくれない。いつだって劇的だ。これで三度目。それも全部「女性」が絡んでくる。  最初の「劇的」は僕が十五の時。母親が目の前で自殺した。  元々情緒不安定で入退院を繰り返していた。原因は父だ。幼い頃、肉親に虐待されて育った父は愛情に飢えていた。渇望していた。母は母性の強い人だったからそんな父親を満たそうとしたのだ。だが、愛情を知らぬ父は愛されてもそれを実感できなかった。母は少しずつ疲れていった。それでも頑張った。だが、父親はそんな母を裏切った。容姿がすこぶるよかったせいで誘惑も多い。甘い囁きに罪悪も感じることなく溺れた。女癖が悪く、浮気ばかりを繰り返した。それで母が愛想を尽かしてくれたらよかったのだ。だが違った。そんな父親に異常に執着するようになった。それがどこからくる気持ちなのか僕にはさっぱり理解できなかった。ただとにかく固執していた。そして精神を病んでいった。父はそんな母から逃げた。それ以外に手段がなかったのだ。優しい愛情を求めていたのに、それとは真逆になってしまった母。そうなったのは父にも責任がある。だが、父は手に負えないと放棄した。そして僕が十五を迎えた時、ついに母に離婚届を突き付けた。母は発狂し、僕の目の前でナイフを喉に突きつけて死んだ。  二度目の「劇的」はそれから三年後。  父は再婚した。十七歳も年下の女。僕の方が年齢が近い。十しか違わないから。彼女はどことなく母と似ていた。顔がというより雰囲気が。父はこういうタイプが好きなのだろうな。優しく愛情深く控え目な感じ。だが彼女も次第に父の振る舞いに壊れていった。父はおそらく人の気持ちを狂わせてしまう要素を持っていたのだ。愛されず育ったことで、愛を壊すような悲しい性質が。だが彼女は母とは決定的に違った。その寂しさを僕にぶつけてきた。寂しがる女は苦手だ。救ってやれなかった母と重ね合わせてしまう。迫られて拒みきれなかった。乞われるままに彼女を抱いた。それは僕が大学に入学して家を出るまでの八ヶ月間続いた。それから一度も帰っていない。父と彼女がどうなったかも知らない。大学卒業をして就職を機に籍も抜いた。もう関わらない。縁を切った。  そしてようやく静かな生活を手に入れた。誰かに庇護されなければ生きていけない子どもじゃない。自分でなんでもできる。だからひっそりと一人静かに生きていこうと思っていた。それが……。二度あることは三度あるとはよくいったものだ。再び僕の人生に「劇的」が訪れた。  三度目の「劇的」。  勤めている設計事務所の元請けである本永建設の社長令嬢からの求愛だ。図面を受け渡しに本永建設を訪れた時、たまたま来ていた令嬢が僕を見て一目惚れしたんだとか。自分で言うのもおこがましいが、僕の容姿は人並み以上だ。道を歩いているとしょっちゅうモデルにならないかと声をかけられるし、女性からもよく告白される。好まれる容姿なのだろう。僕としては父親にそっくりなのであまり喜べなかったが。それが今回のような事態を招いた。ますます喜べない。結婚なんてとんでもない。誰かを幸せにするなんて芸当、とてもじゃないが出来そうにもない。そんな責任負えない。僕は静かに暮らしたい。どうしてその願いが叶わないのか。何かを望んでいるわけじゃない。何もないように望んでいるのだ。それが、どうしてこんなことになる?  理解できない。  まったくもってその言葉に尽きる。だってそうだろう? 普通に考えてみても妙だ。本永建設といえば業界内でもそこそこ有名だ。そんな会社の社長令嬢が一目惚れしたからって結婚できるはずがない。政略結婚というのが今時あるかどうかわからないが、少なくともそれなりに釣り合った学歴なり家柄なりを必要とされるのではないか? 興信所を使って僕のことを調べていてもおかしくない。そしたら母が自殺したこと、父とは現在絶縁状態であることなんてすぐわかる。お世辞にも恵まれたと言えない家庭。その段階で「やめておけ」と反対するものじゃないか? まともな親なら絶対反対してやめさせる。僕のところへ話がくる前に立ち消えになっているはずだ。それが何故?  考えられるのは、めちゃくちゃ我儘で、言い出したら聞かない、両親も手をやくはねっかり娘だから。  ありえるな。散々甘やかした結果とんでもない性格になってしまった。だとしたらものすごーく厄介だ。どうやって断ればいいのか。説得に骨が折れそうだ。だが、まぁ、相手は僕の容姿しか知らない。中身を知れば「あれ? 」と思って目が覚める。覚ますような振る舞いをすればいい。嫌われ過ぎない程度に。うちの会社の元請けの社長令嬢なのだ。下手をすれば「あいつを辞めさせて」など言いだすかもしれないし。あるいは、うちの会社との商談を断らせるとか。さすがにそこまではないか。ビジネスと色恋とは別だ。先方だってそのぐらいはわかってくれるだろう。いや、しかし油断はできない。テレビドラマではよくあるし。「あれはドラマだから」と言いきれない。現実として経験したことがないから迂闊に軽く考えるのは危険だ。慎重にならなければ。  とにかく明日行って話すしかないか。  ピピっと携帯が鳴る。メールだ。 ベイサイドホテル 604号室 20時。 長浜真帆子さん  短い文面。それはもう一つの仕事先からの業務連絡だ。こんな日に限って予約が入る。「了解」とだけ返してすぐに仕事に戻る。今日はどうしても残業は出来なくなったから、早いところ終わらせてしまわなければいけない。幸い、急ぎの図面はなかったので助かった。  夜になり、指定された時間に指定された場所を訪れると、すでに真帆子さんは来ていた。 「随分人気があるみたいね。一ヶ月も待ったわ」  僕は黙って微笑んだ。  真帆子さんとの密会は必ずこの部屋を利用する。彼女と関係を持って…四年か。今では最も古株のお客さんだ。四十前半だろうけど、引き締まった肢体は色気があって美しかった。日々の努力を惜しまない。自分磨きに余念はない。そんな彼女が独身なのがちょっと意外だ。言い寄ってくる男ならいくらでもいるだろう。理想が高すぎるのかもしれない。 「こんなに待たされたんだから、たっぷり楽しませてもらうわよ」 「おおせのままに」  出張ホスト。「最後まで可」の。大学時代から続けているもう一つのバイトだ。就職を機に辞めるつもりだった。会社の規則違反だから。だが、気づけばズルズルと続けていた。義理の母とのことで女性と関係をもつことに嫌悪感を感じている……となりそうなものなのに、僕はこの仕事をこなせている。余程鈍感なのだろうな。でも仕方ない。性欲はあるのだ。恋人を作る気にはなれなかったけど、セックスはしたくなる。厄介なもので、こればかりはどうしようもない。風俗でも構わなかったのだが、サービスを受けるのは苦手だ。それならする側の方が気が楽だった。父に似て、美丈夫に生まれたことだし、利用しない手はない。相手は選べないが、性欲を満たすだけなら別に誰でも構わないわけだし、寂しい女性の心をほんの少し満せる。僕には向いていた。  きっとこんなことを続けて、人生を終えるのだと思った。それでいいと思っていたのだ。満足していた。それなのに……。 「杏平」 「あ、すみません」 「ちゃんと集中して」  明日のことを考えると憂鬱でつい意識が散漫した。それを敏感に感じ取って不愉快そうに眉を顰めた。僕は皺の寄った眉間に口づけると彼女は妖艶に微笑んだ。
News                                                         dOLOR SIT AMET
先日 グルメ・デル・5なる会の2回目が催された。日本での開催までいれれば3回目。1回目はRAFAEL ここもお料理もオーナーも素晴らしかった。2回目は日本 東京の某天ぷらや ここは時間の都合上 日本にいたにも関わらず欠席そしてこの3回目 CENTRAL ここは日本のようだった。 お料理はちょっと塩辛かったけど 少量の料理がたくさん出てきた。オーナーもかっこよかったこの会のある方がすべて手配してくださったので待遇もよく、本当に幸せなひと時だったそして最後にやってくるのは会計・・・今月 ひっそりと暮らすことを決意した日でした!
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